DaHjaj gheD

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DaHjaj gheD 「今日の獲物」がタイトルのブログは此処にあると云う

「天がヨブ 地がヨブ 人がヨブ」

メリークリスマス! それに合わせて聖書ネタシリーズ、えーと第3弾!
クリスマスについてはキリストの誕生日ではないってことも前に書きましたが。
http://d.hatena.ne.jp/yaIba_chaDQI/20071005#p1

 

今回はコレも私が大好きな、旧約聖書ヨブ記」からです。

 

あまり日本ではメジャーではないですよね。 こんな話です。
昔々、ウツというところにヨブという男がいました。 彼は神を信仰する無垢で正しい人で、罪を犯したことが無いという超善良な人物です。 奴隷は持ってますが、ユダヤ教キリスト教では奴隷制度は神が認めている正しい制度であり、罪ではありませんから罪ではありません。
さらに7人の息子と3人の娘、羊やラクダなど1万1千頭もの家畜(当時はこれが財産の全て)を持つという恵まれた人でした。
で、そういった説明のあと、唐突に神とサタンが話をする場面になるんですわ。 「どこで」話してるのかは判りません。 神が「ヨブは素晴らしいぜ!」と言うと、サタンは「あんたが利益をもたらしてるからだよ、あいつ財産ありあまってるじゃん」と言い、神が「じゃあ家畜を自由にしな」とサラッと言ったのでサタンは「なんか」したらしく(※特に描写がない)、ヨブの家畜と羊飼いをシェバ人が襲い、天から神の火が降り、カルデア人が襲い、全ての家畜が皆殺しにされます。 あと羊飼いたちも巻き添えで皆殺しです。 超・迷惑!! ヨブが無垢な良い人だったばっかりに…(つД`);
さらに大風が来て、ヨブの10人の子供たちが皆殺しにされます。 サタン、やりすぎ! っていうか子供は家畜じゃないよ!
そんな目に会っても、ヨブは神を恨んだり非難したりしませんでした。 お前、良い人すぎ!
その後、また神とサタンがお話します。 神は、サタンが10人の子供を殺した事は明らかになんとも思ってないようで、怒ってないどころか神のセリフは「見ろよ、あんな目にあってもヨブは無垢なままだぜ!」という、のん気にもほどがあるお言葉でスタート。 まあ大洪水で全人類抹殺とかやらかした神さまのことですから、子供がたったの10人ぽっち死んだからって屁とも思うわけないですね。 神はヨブの信仰心だけにしか興味がないようで、そのセリフに対してサタンは「自分の身がヒドイことになればあんたを呪うぜ」と言い、神は「じゃあやってみろ」とうっかり言っちゃいます。 お前、負けず嫌いすぎ! それでサタンはヨブの全身を酷い皮膚病にかからせますが、まだ信仰を失いません。 ヨブすげえー
この時、ヨブが「神を呪って死ぬ方がましでしょう」などとぬかす妻に言ったセリフが

私たちは、神から幸福をいただいたのだから、不幸もいただこうではないか。

というどこまでも無垢で純粋なお言葉。 信者がみんなこんな風な盲信的な人ばっかしなら、とても都合が良いですよね。 誰にとってかは言いませんが。
しかしヨブの3人の友人が彼の元に来て話し始めると、雲行きがおかしくなってきます。 なんか神を恨んでるみたい。 あれれー? ここから3人の友人とヨブの議論が延々と続き(かなり長くて退屈な内容ですが、一応この話のさわりの部分です)、ヨブは陰鬱な呪いの言葉を吐き、とうとう「自分が絶対に正しくて、神が間違ってる」的なことを言い出します(笑)
そんなヨブの前になんと直接神さま登場!! もちろん謝ったりするわけではなく、それどころか「私がこの世界と全ての動物を作ったんだぞ、お前に同じことが出来るか」というもの凄い理屈で言い負かし、ヨブに謝らせます(笑) 絶対勝てないね! しかしヨブは説得され、平謝りに平謝りし今後は信仰心を見失わないと誓います。 話の流れがおかしくないですか?(笑)
ちなみに、この時の神さまの言葉が異様に面白くて、

「お前は海の湧き出るところまで行き着き深淵の底を行き巡ったことがあるか」
「光が住んでいるのはどの方向か。暗黒の住みかはどこか。」
「時が来れば銀河を繰り出し大熊を子熊と共に導き出すことができるか」(※ヨブに対して、お前は天の星を動かして大熊座と子熊座を空に昇らせることが出来るか、と言ってる)
「お前が送り出そうとすれば稲妻が『はい』と答えて出ていくだろうか」(笑)
「馬をイナゴのように跳ねさせることができるか」
「鷹が翼を広げて南へ飛ぶのはお前が分別を与えたからなのか」

ということを何ページも言い続けます。 ヨブが「もう反論しません」って言ってからもさらに続けます。 お前、負けず嫌いすぎ!

 

それでまあ神さまはその後、ヨブに元の2倍の財産を与え、また7人の息子と国で最も美人な3人の娘を与えました。 神的にはこれでチャラっぽいです(笑) ヨブはそれから140年生きて幸せに暮らしました。 めでたしめでたし
という、ここから何を学び取れば良いのか困ってしまう(いや、もちろん「子供が死んでも神を信じよう!」なんですが)、インチキ宗教丸出しのアホみたいな話で、とても愉快ですねv
まあ、「ユダヤ教キリスト教では人の命を尊いと思ってない」とは確実に断言できるでしょう。 なるほど、道理で!

 

「聖書」は元々は多数の別々に書かれた本を1冊にまとめたものです。 それぞれの本の中には、こういう、ユダヤキリスト教信者が非信仰者に対して「ウチの宗教を信じろ、信じないとこういう酷い目に合うぞ」という寓話を実話として書いたものもあります。 こういう信者獲得のための作り話にこそ、書いた人の本性が露骨に表れていて興味深いですね。

 

個人的に、ユダヤキリスト教唯一神であるヤーウェ(エホバ)が子供が10人死んでもなんとも思わない辺りに受け入れ難い気持ちを覚えます。 さらに全財産と10人の子供を失ったヨブを「さらに苦しい目に遭わせよう」というサタンに軽〜く同意する神。 見下げ果てた最低野郎です。
クリスマスを正式に祝ってる人はこの神を肯定して信仰してることになるわけですよね。 私にはとてもマネできません。
聖書を読んだことのある人間は、クリスマスを祝う気になれないと思います。 きっとキリスト教徒は読んだ事ないんでしょうね。 アレ?(笑)