DaHjaj gheD

「今日の獲物」がタイトルのブログは此処にあると言われている

DaHjaj gheD 「今日の獲物」がタイトルのブログは此処にあると云う

あけましておめでとう。

唐突じゃのう。
年賀イラスト描いてて思い出したんですけど*1、この日誌で、正月に「あけましておめでとう」と "A happy new year" の違いについて中途半端に書いてて、ちょうど良い時期なので補足的にここで書いてみます。
どう違うかって言えば言葉そのものと言うより文化的な背景の問題なんですけど。


日本では、そもそも江戸時代ぐらいまで「数え歳」でしたよね。 全日本人の年齢が、1月1日にプラス1カウントされてたわけで、つまり日本人全員、1月1日が誕生日だったようなもんです。
さらに昔は平均寿命が短く、飢饉や疫病もあったので、無事に一年を生き延びて歳を取ることはそれだけで「おめでとう」と祝うだけのめでたい事だったわけです。
「あけましておめでとう」には「誕生日おめでとう」の意味もある、つまり無事に元日を迎えた人に対してだけ使える、だから年が明けてからし使えないんですね。 どちらかというとこれは「過去の1年間を無事に過ごした」ことに主眼が置かれている、現在完了的な言い回しです。 そしてこのフレーズだけだと、新年を無事に過ごして欲しい、といった意味はありません。
一方で "A happy new year" は本来 "I wish you a happy new year."(新年があなたにとって幸せなものでありますように)で、 "I wish you a merry Christmas and a happy new year." というようにクリスマスカードに書きます。 つまり前の年にすでに「(来年が)あなたにとって幸せな年でありますように」と言ってるわけで、これは未来形ですし、過去の一年は無事に生き延びたという前提で書かれていて、「おめでとう」にあたる意味は含まれていません。


まあそんなわけで、「あけましておめでとう」と "A happy new year" では本質的な意味は大きく違うということです。


あとたとえば「お早うございます」と "Good morning" も全然違いますよね。 朝の内なら別れ際に "Good morning" と言ったりするのはOKですが、日本では別れる時に「おはようございます」とは言いませんしね。
「こんにちは」は「今日(こんにち)は御機嫌いかがでございますか」とか「今日は良い天気ですね」の省略ですが、この「こんにちは」なんて英語にしたら "Today is ..."(It's ...)とか "... today?" ですよ。 出会い頭に "Today is!" なんて言われたら仰天されないでしょうか(笑)

*1:スキャナは難なく接続できました