DaHjaj gheD

「今日の獲物」がタイトルのブログは此処にあると言われている

DaHjaj gheD 「今日の獲物」がタイトルのブログは此処にあると云う

聖書は笑いのバイブルです。

聖書はツッコミどころ大満載のネタの大宝庫なので、もう何度かこのシリーズを続けたいと思います。
今回は旧約聖書中でも有名な「出エジプト記」から。 私の大好きなネタのひとつです(笑)

 

この話は映画「十戒」やディズニーのアニメ映画「プリンス・オブ・エジプト」などで映像化されていますが、なぜかそれらでは触れられない部分がたくさんあります。
簡単におさらいすると、モーセ(モーゼ)が神の言葉に従い、エジプトで奴隷として使役されていたイスラエル人たちを連れて「約束の地」へ向かって逃亡します。 逃げてすぐにあの「海が割れる奇跡」があり、以後イスラエル人たちの旅が延々と記述されます。
シナイ山に着いた一行は山のふもとに留まり、モーセは山に登って、神さま(ヤーウェ、エホバ)から十戒を刻まれた石版を授かるわけですが、これにはどうも40日もかかったらしく(史実に基づいているなら、恐らくモーセは自分で石版を彫っていたんでしょうね)、イスラエル人たちはモーセが戻って来ないので不安になって、唐突に「金の子牛像」※を作って拝み始めます。 「神」はすぐにモーセを民の元に戻らせますが、ここで怒ったモーセ神から授かった石版を地面に投げつけて割った後、民に向かって、

「だれでも主につく者は、わたしのもとに集まれ」と言った。レビの子らが全員彼のもとに集まると、彼らに、「イスラエルの神、主がこう言われる。『おのおの、剣を帯び、宿営を入り口から入り口まで行き巡って、おのおの自分の兄弟、友、隣人を殺せ』」

ちなみに、神がモーセに上のようなことを伝えるシーンはありません(笑) ナイス拡大解釈!
レビの子らはモーセのいう通りにして、エジプトから一緒に逃げてきた仲間であるイスラエル人たちの内、3000人が死にます
十戒の石版には「汝、人を殺すなかれ」と書かれていましたが、どうやら彼らは、まだ十戒を見ていないのに「他の神を崇める」という戒めを破ってしまったのでもうすでに無効らしいです。
(※どうやら、エジプトで信仰されていた子牛のことらしいんですが、当時、実際に信者がそちらに鞍替えしたりされたんでしょう。 それで「あっちを信じるとこういう酷い目にあうぞ、こっちを信じろ」と信者を脅すためのエピソードなんでしょうけど…)

 

モーセたちの話はこの後「レビ記」「民数記」と続きます。 その「民数記」で一番笑えるのがココ、31章。(一部要約・省略)

主はモーセに仰せになった。
イスラエルの人々がミディアン人から受けた仕打ちに復讐しなさい。 (略)」
モーセは民に「戦いのために人を出して武装させなさい。ミディアン人を襲い、主のために報復するのだ。全部族から、1000人ずつを戦いに送り出しなさい」

これが「主」、唯一神ヤーウェの、石版に自ら「人を殺すな」と書いた神様のセリフです。
で、12000人がミディアン人のいるところを襲い、男子を皆殺しにし、女と子供を捕虜にし、家畜や財産を奪い取り、町や村に火を付けて焼き払います。 (´Д`)エエー
……彼らを形容するのに「神のしもべ」と「悪魔のしもべ」、どちらが正しいと思うでしょうか(笑)
そして捕虜の「女と子供」、戦利品の数々をモーセの元に持って帰ると、なぜかモーセは怒ってます。 理由は次のモーセのセリフに集約されます。

「子供たちのうち、男の子は皆、殺せ。 男と寝て男を知っている女も皆、殺せ。 女のうち、まだ男と寝ず、男を知らない娘は、あなたたちのために(注・モチロン強姦して楽しむために)生かしておくがよい。」

そう、男の子や処女じゃない女まで生かしておいたから怒ってたんですね。 しつこいですが、これはディズニーのアニメ映画「プリンス・オブ・エジプト」の主人公のセリフです。
ちなみに彼らは「人を殺すな」という神が定めた法律を破った罪を犯したわけですが、モーセは続けてこう言います。

「あなたたちは七日間、宿営の外にとどまりなさい。あなたたちでも捕虜でも、人を殺した者、殺された者に触れた者は皆、三日目と七日目に、身を清めなさい。」

殺人罪これでチャラになるみたい です(笑)

 

最近、秋山ジョージさんが聖書をコミカライズしましたが、読んでみたらやっぱりこのくだりはサクッとオミットされてました。 藤原カムイ版は未読なんですが、読んだ方、載ってました?(十中八九載ってないと思いますが(笑))

 

 

聖書は分厚い本ですが、至る所がこんな調子でツッコミどころばかりです。
それ以前に、こんな倫理的に問題のある本は発禁にすべきじゃね?と思いますが。
興味が湧いた方はぜひ、発禁になる前にご一読を!(笑)