DaHjaj gheD

「今日の獲物」がタイトルのブログは此処にあると言われている

DaHjaj gheD 「今日の獲物」がタイトルのブログは此処にあると云う

キバゴー!(ネタバレ)

観てきました〜v(日曜の話)
場所は例によって新宿のバルト9で。 11時からのを観に行ったら、急に上映時間が1時50分に変更されてて仕方なくその時間にしたのにもう残り5席で1番前の列で観る事に。 …最前列では観るものじゃないですね…(笑) スクリーンが斜めに観えるのでアップになると俳優の顔が歪んで観えます (´・ω・`)

 

▼『炎神戦隊ゴーオンジャー BUNBUN! BANBAN! 劇場BANG!!』

ラスボスがソニン、ゲストキャラに「555」で主人公たっくんを演じていた半田健人、「デカレンジャー」でデカピンク・ウメコを演じていた菊池美香、「ゴーグルファイブ」で黒田官平・「ダイナマン」で星川竜を演じた春日純一、という解る人には解る無闇に豪華なメンバー。 さらに去年、ゲキレンの忠臣蔵編でも出演していた斬られ役で有名な福本清三さんも当たり前のように登場!
毎年書いてるけど恒例というか変わってないので今年も書くと、やっぱり尺が短くてテンポはいいけど抑揚のない一本調子な感じになっちゃってました。 いいかげん戦隊に10分くらい回してくれー。
映画本編は、「炎神と人間との、相棒としての絆」というゴーオンジャーならではのテーマが一貫して貫かれていて、明快で感情移入もしやすくて面白かったです。 強くなるために「心」を捨てた敵と、心を持っているが故に強い絆で結ばれている炎神と走輔たちゴーオンジャーの対比が、「心を失った炎神たち」(炎衆)の目を通して効果的に描かれていて、話作りとしても非常に巧みで、かつ単純に燃えられる話となっていました。
明るい雰囲気を予感させる軽いタイトルからは想像もできないほどシリアスで熱いノリで突っ走るってな内容で、セリフにも含蓄があり、やや説教臭い気もしましたがかなり楽しめました。 まあ走輔の口から出るセリフとしてはやや不自然な感じもあったことはあったんですが。
そして炎神大将軍はただただカッコイイ! はっきり言ってエンジンオーよりカッコイイよ! いっそエンジンオーがこれなら良かったのに!(笑)
そういや、3人のゲストが人間の姿になった炎神ソウルってのは予想外でしたが、キャストを奪われ、それをゴーオンジャーが取り返して…という話の転がし方も壮絶に上手いです。 短い時間で本当によくまとめられていました。 っていうか、ってことはスピードルたちも人間になれるのか…!?(笑)
ただ去年のゲキレン電影版やデカレン劇場版と比較しちゃうと、視覚的に面白い描写もなかったりとか予想外な展開もなかったりとかで見劣りしちゃうのは確かですが、おおむね秀作と呼べる出来だと思います。 80点ぐらい。

 

▼『劇場版 仮面ライダーキバ 魔界城の王』

監督・田崎竜太、脚本・井上敏樹という良く見るコンビで、このコンビによる劇場版「555」もストーリーはまあチグハグだったけど戦闘シーンの特撮・演出はズバ抜けてカッコよかったのでそこは期待していました。
ただ全体には、場面場面では面白いものの、それぞれの場面と場面が話として上手く繋がってなくて心の引っ掛かりが解消されないままどんどん先に進んでしまう印象でした。(…まあ、予想通りなんですけど…(笑)) 健吾たち多数の一般人が敵に操られて渡を襲うシーンとか、音也が助けに来たあと、あの一般人たちがどうなったのか一切説明がないまま渡たちはマル・ダムールでのんびり会話してたり。 健吾が操られ状態のままだとしたら渡たちの人間性を疑いたくなってしまいますよ。 あと正直、レイ/白峰はなんのために出てきたのかよく解りませんでした。 1回の鑑賞で(気付かないところもあるという前提で)考える限り、彼が登場しなくても話が作れるし、というか登場しない方がもっとブレのない、芯の通った話になって良かったような…
キバとガルルたち3体の揃い踏み、ゆりと恵のダブル変身・ダブルイクサなどおそらくはこの映画でしか観れないだろう映像はしっかり見せてくれて目を楽しませてくれました。 掟破りのタイムトリップをそう何回も使えない以上、やるべきネタを全て盛り込んでやれるだけのことはやってしまおうという意気込みは感じました。 そういや、TV本編でも出てきた「時の扉」を使う、というただそれだけの説明はちょっと物足りないです。
最大の見せ場である、音也と渡・ゆりと恵の出会う場面は観てて素直に嬉しかったですねー。 しかし渡と恵が姉弟でないことから、この二人は自分たちが将来結ばれないことも知ってしまったんですよね。 それに22年後なら普通に生きていておかしくない年齢なのに、それについてまったく触れられていないのもどうでしょう。 ただ渡が「会いたかった」と言ってることから、自分がそう遠くない未来に死ぬ事は理解してしまったのかもしれません。 この辺り、今後TV本編の方でフォローがあると嬉しいです。
TV本編っていや、以前に音也が渡に憑依した時はキバットを「2世の息子か」と言ってましたが、今回の映画ではどう考えても3世の方と先に出会ってます(笑) あの時の音也はこの映画の後の音也なのは確かだから、渡の顔だって知ってるはずで筋が通りませんね…。 本編とはリンクしないと考えるべきでしょうか。

 

こちらには「電王」でモモタロスたちの声を演じていた関俊彦さんや てらそままさき さんが顔出しでゲスト出演。 「俺、三条!」には笑いました(笑) ただそれまで刑務官として働いていたのに、なぜか突然ファンガイアの本性を表して人を襲ったりとかする意味不明キャラに。 ギャル曽根もレジェンドルガなのに普通に大食いしてて「そこにたまたま音也と渡が居合わせ、ギャル曽根はなぜか突然正体を表す」という井上さんの悪いクセが(笑) 「偶然バッタリ」はこの際脇に置いておくとしても、これらのゲストキャラが何を考えて行動してるのかがさっぱり解らずじまいなのはさすがに不満です。 もちろん上から「この人がゲストで出るから」と言われて無理矢理脚本に組み込んでる、という事情は判るんですが、それにしてももうちょっと上手いやり方がありそうなものです。 …っていうか、そもそもなぜ彼女がゲストなのかも解らないんですが。
しかしラストの、ライダーキックでラスボス・アークを月まで「蹴り押して」飛んで行き、地球に落ちて来ていた月を元の軌道に「蹴り戻す」というシーンは視覚的にもアイデア的にも新鮮でカッコよくて秀逸でした。 これを考えたのが井上さんなら、やっぱり井上脚本は嫌いになれません。
散々書いた通りストーリー的には不満も多いんですが、もう1回観たいと思うんですよね。 やっぱり渡と音也・恵とゆりの親子共演は、理屈を超えた情を揺さぶる力があると思います。 それだけにもっとストーリー全体がまとまって、引き締まっていれば、と残念でなりません。 総評としては、まあ60点か65点ぐらいですかね。

 

そうそう、音也とゆりが2008年に来た後、音也と女装した渡が新宿3丁目を歩くシーンがあるんですが、そこで「自分たちが今この映画を観てる」バルト9の入り口が映ったのがなぜか無性に嬉しかったです(笑)